Bunkashi

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  • Publié le : 28 novembre 2010
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文化史入門

私は、フランスからの留学生である。しかし、両親は日本人であるから、わりと、日本の文化も知っている。故に、フランスと日本の文化、両方が分かる。「分かる」というよりも「解かる」というのが適当かもしれない。この両方の国の多種多様な文化の違いの中でも、「笑い」の文化の違いははっきりとしている。文化的センスの違いが具体的に表れるのがテレビ番組だと思う。私は、日本のお笑い番組を見た後からは、どうしてもフランスのお笑い番組がつまらなく見えてしまって、仕方がなかった。しかし、その中でも、「やっぱりこれはいつ見てもおもしろい!」と思うお笑い番組がある。日本のように、お笑い芸人が一人一人出てきて(フランスはピンが多い。コントだと3人が多く、コンビは非常に少ない)、芸を披露するといった番組もあれば、フランス独自のお笑い番組もある。それは、「ずっこけビデオ」のような番組。赤ちゃんやペットの可愛らしいハプニングや、政治家のまぬけな顔などを使って笑わせるというものである。このようなビデオは、視聴者が投稿してきたものがほとんどであるから、リアリティーがあるものばかりである。この、視聴者から送られてくる映像には、恐らく日本では絶対に笑わないだろうというのが多い。例えば、スポーツの失敗シーンがある。失敗シーンといえば、日本の番組でも、野球選手のフライングなどを効果音付きで流しているのがあるが、そのようなレベルではない。例えば、スキーの競技の映像がある。ゲレンデのあちらこちらに置かれた旗を曲がりながら滑っているスキー選手が、バランスを崩し、転倒し、ものすごいスピードで転がってくる。これに、「ビヨーン」や「BOOM!」などの効果音を付け、笑うポイントとして切り取り、流すというようなものである。これを日本人に見せると、「いやー!」「えええー!」、「痛い痛い!」「ひゃあー!」と言うが、フランス人はこれを見て「HAHAHA!」や「おほほほほほほ!」と愉快に笑う。
 また、別の番組に、素人にドッキリをするという番組がある。たとえば、女性が梯子に乗って、布を張り付けている。そこに、男性を引き止め、「手伝ってくれませんか?」とたずね、手伝わせる。二人が作業をしているうちに、女性のスカートが何かに引っ掛かり、すりすりと落ち、女性がパンツ姿。そこの素人の男性のリアクションを見て笑うというものである。新発売の缶ジュースのキャンペーン。仕掛け人の女性スタッフがスーパーの出口付近にテーブルを置き、その上に缶を並べて無料配布をしている。客がそれを飲もうと近づくと、テーブルクロスの下からニュッと手がのびてきて客の足を引っ張る。 で、驚く客の反応を見て大笑いする、みたいな。あるいは、公園の長いベンチの端に仕掛け人が座る。そのうち、一般人が同じベンチの空いているところに座る。そこで仕掛け人が立ち上がり、伸びをするフリをして背中を見せる。ベンチは真っ赤な色をしているのだが、彼のシャツにも赤いペンキの色がべっとりとついている。一般人もあわてて立ち上がり背中を確認、服を脱ぎ出す人もいて大騒ぎ、のようなものもある。この番組は、一つのドッキリにつき5分間くらい、それを5本流して30分番組になるというのである。ナレーションは全く無く、軽妙なBGMに乗せてただただ映像を流し続けるという感じである。 
日本だったら、すぐに視聴者から苦情が来て終わらされるかもしれない。だから、日本にもドッキリ番組はあるようだが、対象にされているのはタレントや芸人なんだろうなあと思う。しかし、フランス人の場合、「あそこにカメラがあるんですよ」とスタッフにバラされて、一緒になって笑う。日本人だと本気で怒る人が多そうで、成立しないのかもしれない。
しかし、中にも、日本人が見たら、これ大丈夫?というのもある。たとえば、街中で視覚障害者の男性が、杖を片手に、車椅子を押して歩いている。車椅子にはお婆さんが座っている。この視覚障害者の人は足元がおぼつかなく、ちょっとした拍子に車椅子を手放してしまう。しかしそこは下りの坂道。お婆さんを乗せた車椅子は坂道を転げ落ちていく。見ている人は当然、車椅子を止めようと走って追いかける。視覚障害者もただならぬ気配に気付いて後を追うが、歩くたびに杖が左右に揺れ、善意の人の行く手を阻む。助けに走り寄った善意の素人さんは間に合わず、車椅子はひっくり返ってドン!中からお婆さんが飛び出てBAM!でもそれは人形でしたー!HAHAHA!のようなノリのもある。しかし、こういうのも笑えるのが本当の差別の無い社会だと私は思う。...
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